Story

近年、京都では町家再生プロジェクトが増加している。 一方で、当館のような大型の町家は維持・改修の費用負担が大きいことなどから、引き取り手が見つからないまま止むを得ず取り壊されることも多く、その数は減少の一途をたどっている。 京都の発展を支えてきた歴史的・文化的価値の高い建造物を後世に残したいという想いを原点に、2棟の大型町家を中庭で結び、旅館として再生させる当プロジェクトが始った。

「Nazuna 京都 御所」は、その昔、材木屋として使われていた京町家を改装した宿。当館から程近い夷川通は、古くから京都一の建具・家具屋街として栄え、現在でも数多くの家具屋が並ぶ。こちらの材木屋は京の建具・家具文化を長い間支えてきたが、その役割を終え、空き家となっていた。

高い技術を持つ職人たちがロビーエリアの土壁や館内の梁・建具などを丹精込めて甦らせ、天井の高い広々としたロビーエリアからは材木の保管場所であった当時の姿が窺える。宿に足を踏み入れると、かつて当館が材木屋として使われていた頃の名残を残す、高い天井と土壁が印象的なロビーエリアがお客様をお迎えする。

当館は「和菓子」をテーマとした旅館。客室ごとに異なる和菓子をテーマに制作・選定された現代的なアートワークが伝統的な京町家を彩る。客室内の庭に露天風呂・半露天風呂を設えたラグジュアリールームは「柏餅」「葛切り」、ゆったりとした内風呂を設えたデラックスタイプの客室は「串団子」「最中」「八つ橋」「羊羹」「落雁」と和菓子の名が付けられ、 至るところに昔の面影を残しながらも、全室に床暖房など最新の設備を備え、皆さまに心地よくご滞在いただけるよう、現代風にアレンジしている。

Information

開業
2019年2月
客室数
7
運営
株式会社Nazuna